少し前まで、部屋は無機質な感じであればあるほどいいと思っていた。
だから自室の家具は基本的にモノトーンで統一して、ポスターや植物みたいな装飾もすることはなかった。必要なものを機能的に用意する。それこそが正しいと思っていた。
今でも基本的にはそうなのだが、少しずつ癒しになるようなものが欲しいなと思うようになってきた。
例えばそれはささやかなお花だったり、可愛いぬいぐるみだったり。お気に入りのデザインのTシャツやCDなんかでもいい。気に入った絵を飾るのもいいな。落ち着く香りのディフューザーも置いておきたい。自分の好きなものや好きな香りを散りばめて、自分の世界を保てる空間を作りたい。そんな風に考えるようになった。
また一方で私はなかなかモノが捨てられない。あんまり着てない服とかも手放せばいいのになんだか捨てられない。そうなると収納がたくさん必要になって、必要な収納を用意すると自分の好きなものを設置するスペースがどんどんなくなっていく。結局自分の作業スペースなんかに皺寄せがきて、作業ができなくなる。今までずっとそうだった。
できればこの状態から脱したい。あんまり使っていないものは処分するようにしよう。部屋にスペースを作って、落ち着ける空間を作ろう。
手始めに着れない服は全部捨ててしまおう。思い出とかはもういい。まずは今の自分に必要なものを整えていこう。捨てるときは苦しくても、少したてばきっと忘れてしまうんじゃないかな。
思えば自分の部屋って寝るだけの空間みたいな認識でここ10年くらいやってきたから、全然こだわったりしてこなかった。必要なことができればそれでいい。そう考えて部屋を探したり、家具を選んだりしてきた。結果的にただ雑然とものが多くて、でも色味は薄暗い、そんな部屋が出来上がっていた。
部屋にいる時間が少し増えた今、そんな考えを少し見直したい。やってみよう。
