電子書籍が苦手だった

しばらくkindleで本を読む時期を経て、最近紙の書籍に戻ってきた。

電子書籍は嵩張らないしページの管理とかも楽でいいのだがどうも合わなかった。多分漫画を読むくらいにするのがちょうどいい。小説とかはなんだか頭に入ってこない感じがしてよくない。テキストとかについては書き込みができないから尚更よくなかった。

 

論理哲学論考くらい訳分からん本を読む分にはいい。だから流して読めるものくらいが電子書籍ではちょうどいいんだろうな。なんで活字は電子書籍だと頭に入ってこないのかよく分からないけど、そういうのがあるのは確かな気がしている。あと私は「あそこになんて書いてあったっけ」と思って前のページに戻ることがよくあるので、それが直感的にできない電子書籍がはまらないんだと思う。紙だと大体この辺に書いてあったみたいなのがスムーズにできるが、電子書籍だとちゃんとページを指定してあげないといけない。感覚的なところだがこれがなかなか難しい。

 

あと電子書籍だと無い本とかが思いのほか多かったのと、電子の方が紙より値段が高かったりして、使う頻度がかなり減っていった。減って行ったし、本屋に足を運んで紙の本を買う機会が増えた。kindleを使っていたときは参考書と雑誌を買うくらいでしか本屋に行かなかった、なんなら参考書とかは通販で買っていた。でも最近は本屋で文庫のコーナーを物色したりしている。そしてその時に、こうやって背表紙とか面出しされてる本を眺めるのが好きだったなと思い出す。小さい頃は近所の本屋でよくそんなことをしていた。そしてそれは今でも楽しいんだと気がついて少し嬉しくなった。

 

大きい本屋に行くためにわざわざ休日に街に出て、気になっていた本を手に取ったり、目新しい本に目を通してみたり。そして気に入った本があれば買って帰って。それは文庫だったり自分の研究に関する本だったり。何よりもそんな風に本を選んでいる時間が好きだった。帰りに喫茶店でコーヒーを飲みながら買った本に目を通していると、なんて素敵な休日なんだと嬉しくなったものだった。

 

仕事に追われ、私生活もゆとりがなくなってきて、そんな楽しさなんて忘れかけていた。ギリギリで取り戻すことができてよかった。これから定期的に本屋を楽しみにいこう。自分の心に水をあげよう。楽しみの芽が枯れてしまわないように色々やってみよう。