閾値

「もう死にたい」とそこそこの頻度で思う。そしてその度に「何故?」と思う。

普段は死にたいなんて思わないし、ましてやそれを実行に移すこともない。死には多分苦しみとか、周囲の人間への迷惑とかが多分に含まれていると理解しているから。死んだことないからそれが自分の場合に本当かどうかはわからないが、一般的にそうだと認識しているから。安楽死が身近に存在しているならこの感覚も変質するのかもしれないが、少なくとも私の目が黒いうちは変化しない・変化が少ない感覚なんじゃないかと思う。

だから死を想起させる感情はとても瞬発的なものなんだと理解できる。例えばそれは自分を守るための防衛本能なのかもしれない。自分と周囲を切り離すようにするみたいな感じ。そして死に向かう行動もまた同じように生まれるものなのかもしれない。だから自殺する人は慢性的に死にたいと思う訳ではなく、瞬発的な「死のう!!!」みたいな感情に動かされているんじゃないかなと最近思う。

 

私はまだ死にたいと思ってもまだ行動には移さずに踏みとどまることができている。ただそこからさらに一歩進むことへの境界線はあまりにも曖昧で、いつ踏み越えてしまうのかわからない。それは瞬間的なものだと思うから。世の中理不尽だし、辛いし、人間は苦しみからは逃れたいと思うものだし、少し先の自分なんてどうなるかわかったもんじゃ無い。

 

今が辛いだけで、生きていればいいことがあるよと言ってくれる人もたくさんいる。運が悪い時があればいい時もあるよと言ってくれる人もいる。でも私はそうは思えない。平均値をとればそうなのかもしれない。ただ全員がそうという訳ではなく、ずっと運の良いやつとずっと運の悪いやつがいる。自分がどこにいるのかはわからないが、ずっと運のいい人間ではないことはわかる。

それでも生きていかないといけない。死の境界線を踏み越えないためにもがき続けなければならない。明日も生きていたい。いい事もないし苦しいのに、どうして生きたいと思うんだ。この感情は何なんだ。何故私は動くんだ?もっと楽になれる方法ならたくさんあるはずなのに。

 

私は何もわかっていない。勉強を頑張って来て何でもわかっているつもりになっていたのかもしれない。私がわかるのはせいぜい勉強したことだけで、他のことはわからないことだらけだ。それが恐ろしいし苦しい。

誰か助けてくれ。